『雨月物語』

このごろ雨月物語にはまっています。怪談なのですが、怪異現象ではなく人の心のおそろしさが描かれているので、ほんとに怖いです。怪異現象らしく読むこともできるし、ほんとうに起きたこととしても読めるようになっています。ぼくもそのうち、似たような経験をすることがあるんじゃないかと思ってしまいます。


なにを間違えたか、下巻の最初から読みはじめてしまいました。ごぞんじの方はごぞんじのように、雨月物語は、ひとの存在の浅い方から深い方に入っていって、また浅い方に返ってくる構成をとっているそうで、よりによって一番深いところから読みはじめたことになります。下巻を読み終えました。もうすぐ上巻が届くので、また深い方にもぐっていきます。古文は、初見で音読し録音して聞き直すと、意味を読みちがえたところがわかって、おもしろいです。


年末から、部屋の本の整理をしています。百冊以上が、「別にもう読まなくてもいいか」本として、遠くの本棚に移動しました。一番古いのは70年ほど前の論理学の教科書です。一度読みました。たぶんこの時期の論理学は、文学部の範疇だったんじゃないかしら。内容はフランシス・ベーコンっぽかった。