紫式部日記を読んでいた。

ここの部分が、たいへん、ぴらっている。

それ、心よりほかのわが面影を恥づと見れど、えさらずさしむかひまじりゐたることだにあり、しかじかさへもどかれじと、恥づかしきにはあらねど、むつかしと思ひて、ほけしれたる人にいとどなりはててはべれば、
「かうは推しはからざりき。いと艶に恥づかしく、人見えにくげに、そばそばしきさまして、物語このみ、よしめき、歌がちに、人を人とも思はず、ねたげに見おとさむものとなむ、みな人々いひ思ひつつにくみしを、見るには、あやしきまでおいらかに、こと人かとなむおぼゆる」
とぞ、みないひはべるに、恥づかしく、人にかうおいらけものと見おとされにけるとは思ひはべれど、ただこれぞわが心とならひもてなしはべる有様、宮の御前も、「いとうちとけては見えじとなむ思ひしかど、人よりけにむつましうなりになるこそ」とのたまはまするをりをりはべり。くせぐせしく、やさしだち、恥ぢられたてまつる人にも、そばめたてられではべらまし。

(大意)

まともに相手するのもめんどうで、ぽわぽわしていると、
「もっとすました人だって話してたのに、実際見たら、のんびりしてて別人みたい」
とみんなが言う。ここまでぽわぽわ扱いされるのもショックだけど、わざとだもん。