かぜぴき
まだ大学も始まっていないし、家族と暮らしているし、なんの心配もせずにぐうぐう寝ていました。一人暮しだとこういうとき大変そう。
寝ていると、夢のかけらのようなものをたくさん見た。
銀杏が散っていて、銀杏が滝のように散っていて、夕陽に照られ、玉川上水に散るのをみていた。凄惨。
みなもを流れて、ゆらゆら東行していると、木の根にひっかかって、先にいけない。星を見あげてぐったりしていた。声がでない。
起きていると、昔のことばかり思い出した。
紙飛行機を折るのが得意で、投げるとS字にカーブするのが折れたこと。
ときどき幼稚園のお昼がお寿司だったこと。
節分で鬼を見ていたら、ストーブでひざをやけどしたこと。
銀杏はたしか本当にみたことがあること。久右衛門橋。
目が醒めて、がんばって大学に行って時間割をもらってきた。えいやと学科を決めたのでそんなに先が見えていない。どうころんでも悪くないはず。